島原そうめんは美味しいのになぜ低価格?長崎の製麺所の特徴を調査!

長崎県南島原市で作られた島原手延べそうめんはコシが命です!

麺を極限まで細く長く伸ばすことで強いコシが生まれます。

暑い夏にぴったり!島原手延べそうめんをご紹介します。

 

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低価格で美味しい島原そうめんのブランド化

そうめんの生産量は揖保乃糸で有名な兵庫県が1位なんですが、長崎はそれに次いで全国2位なんです。

長崎は、全体の3割を占める一台産地なんです。

 

南島原市役所に去年10月に誕生した「そうめん振興班」。

3人の専属メンバーが、日々そうめんの販売強化に取り組んでいます。

しかし、ある悩みを抱えているそうなんです。

島原そうめんは、“播州揖保乃糸“に比べると平均で半値くらいの価格です。

生産者が自信と誇りを持って作っているが、それに見合う価格が伴っていないので悔しい思いをしているそうです。

 

そこで今、力を入れているのが、この認証マークです。

https://mymen.minamishimabara-somen.jp/

市が品質を保証したという付加価値をつけ、他の産地に負けないブランドにしようという狙いです。

 

長崎の南島原市にある島原そうめんの特徴とは?

江戸時代に始まった島原のそうめん作り。

その島原手延べそうめんの特徴は、なんといってもコシの強さが命なんです。

小麦粉を練った生地を時間をかけて少しづつ引き伸ばして少しづつ細くする手延べ製法なので強いコシが生まれるのです。

 

今でも、南島原市には250件ものそうめん工場があります。

そのうちの1件から、コシの秘密を探ってきました。

創業69年3代目の本村幸雄さんです。

早速、自慢のそうめんを見せてもらいました。

手間をかけて麺を引き延ばすことで、強いコシが生まれる手延べ製法。

一体どうやってここまで麺を細くするのでしょうか?

 

強いコシが生まれる手延べ製法とは?製麺所を調査!

そうめんの作業の開始はなんと朝4時。

まずは、生地作りからです。

小麦粉に塩水を加えて捏ねますが、その日の気温や湿度に合わせて微妙に配合を変える難しい工程なんです。

気温や湿度を毎日記録したカレンダーを参考に塩水の量を調整します。

ちょうどいい硬さにしないと麺が伸びずに切れてしまうそうです。

プムカプムカ

難しい作業ですね。

生地の中がどうなっているかというと、塩水が加わることでバラバラだった小麦粉のタンパク質。

そこに吸着力が上がって繋がるです。

その結果、網目状のグルテンというたんぱくになり、これがコシの強さを生み出します。

捏ねた生地を板状に切り出し、機械で巻き取ります。

これを何度も繰り返し、少しずつそうめんの細さに近づけていきます。

麺が細くなることで生地の中ではグルテンの網目が緻密になりここで更に強いコシが加わります。

まだまだ生地を鍛えます。

グルテンが捻られることで究極のコシが生まれます。

食品工場

機械と手延べの違いはこの“上り”の一番!

いよいよ最後の伸ばし作業です。

しっかり鍛えた麺はとても伸びるのです。

麺を更に1.2mmの細さになるまで伸ばしていきます。

始めは大きな小麦粉のかたまりだった生地がまるで白糸のような美しい姿に。

長さは約2mにもなるのです。

翌日までしっかりと乾燥させれば最高のコシをもった手延べそうめんの出来上がりです。

 

島原手延べそうめんの美味しさの秘密とは?

本村さんが今一番力を入れているのは小麦の栽培です。

この日は、同じそうめん生産者などと一緒に収穫作業です。

元々は外国産だけを使っていたという本村さん。

しかし、地元の小麦を使った島原そうめんを作りたいと自ら栽培にも挑戦しています。

食品工場

市販の小麦粉と全然風味が違って、よく麦の香りがするとお客さまに言われます。

小麦以外の材料も全て島原半島の物を使っているという自信作。

“純”島原手延べそうめんです。

小麦の味を噛み締めてほしいと、このそうめんだけはちょっと太めに作るのが本村さんのこだわりです。

プムカプムカ

小麦の素朴な味わいがふわ〜っと、風味が広がる感じですね。

本村さんは島原産の小麦を使った昔ながらのそうめんを残していきたいといいます。

白っぽい麺は、外国産の小麦を使ったもの。

少しそばに近い色をした物が本村さん自作の小麦を使ったそうめんです。

小麦のふすまが少し入っているので、このような違いがでるそうなんです。

本村さんのおじいさんが工場を始めた頃は、南島原市でも小麦栽培が盛んでそれを使ってそうめんを作っていたんだそうです。

 

まとめ

自作の小麦は外国産に比べて捏ねたときにベタつきやすいため、そうめん作りは試行錯誤の連続なんだそうです。

ですが、これからも少しずつ生産量を増やして沢山の人に食べてほしいというこということです。

地元の子どもたちに麦を踏んでもらったり収穫をしてもらって、より身近にそうめんを感じられるようになったらいいなと思います。

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