ちょっと珍しい柑橘類「スイートスプリング」をご紹介します。
スイートスプリングの皮は緑だけど食べられる?と思ったことはありませんか。
皮の色は緑色、これで実は熟しているんです。
目次
スイートスプリングの品種と生産量は?
スイートスプリングとは、温州みかんとはっさくの交配で生まれた品種です。
実は、熊本県が全国生産量第一位なんです。
熊本といえば、同じ柑橘類デコポンがあります。
そのデコポンの生産量が2万トンだったのに対して、スイートスプリングが173トンと、まだまだ少ないのが現状です。
全国的にも生産者が少ないこの品種を多くの人に知ってもらいたいと、町をあげて取り組んでいるところがあります。
奈木町は知る人ぞ知るスイートスプリングの産地です。
この町だけで熊本県の生産量およそ2割を生産しています。
スイートスプリングの収穫時期と旬はいつ?
中身は見えませんが、収穫のタイミングはどうやって見分けているのでしょうか?
スイートスプリングの皮はまだ緑色でも中の実から熟す品種なんです。
11月頃から出回りますが、1月を過ぎると皮が黄色く色づいてきます。
なので、緑色の皮は今の時期およそ1〜2ヶ月と旬が短いんですよね。
緑色とこの味のギャップを楽しみたい方はお早めに食べてみてください。
皮は青くても実際に食べて確認すると、見た目に反して甘みがあります。
全然酸っぱくなく、食べやすいです。
食べたらわかる美味しさです。
スイートスプリングの糖度を上げる栽培方法の秘密とは?
津奈木町のスイートスプリングの生産者を訪ねました。
スイートスプリングの緑色と味のギャップに魅了されおよそ20年、生産者は吉野芳美さん。
皮が緑色のうちから食べられるよ。
吉野さんは、より糖度が高く酸度の低い美味しいものを作るため20年間試行錯誤を重ねています。
今年から畑の周りに穴を掘り、雨水の通り道を作っています。
こうすることで雨水はもちろん、空気も畑全体を巡り木に栄養が行き渡るそうなんです。
そして枝の剪定方法を変えるのです。
その名も「切り上げせんてい」。
下に伸びている枝を切り、枝全体が上に伸びるように剪定しています。
従来の方法は上に伸びる枝を切るため、木が横に広がり日当たりがよくなるよう剪定していました。
一方、切り上げ剪定は植物が上に伸びる習性を生かし、下の枝を切って上に伸びる強い枝を残すという方法なんです。
栄養分をより多く含む枝が育つので、全体が上に伸び強い木が育つというんですね。
元気のいい木を作るために元気のいい枝を残すという考え方です。
スイートスプリングはどのくらい甘い?デコポンと比較
スイートスプリング | デコポン | |
糖度 | 10度以上 | 13度以上 |
酸度 | 0.1% | 1%以下 |
カロリー (100gあたり) |
55 | 51 |
吉野さんのスイートスプリングの糖度と酸度を計測してみると、糖度およそ11度、酸度0.1%という結果に!
デコポンと比較すると酸度がかなり低いのが分かりますよね。
スイートスプリングは、酸度が低いためにより甘みを強く感じるんですね。
「スイートスプリング部会」津奈木町のPR活動
スイートスプリングの良さを伝えるため、吉野さんたち津奈木町の生産者20人で「スイートスプリング部会」を結成しました。
そして、スイートスプリングを全国に広がるため各地の物産展をまわりPR活動を行っています。
今では吉野さんたちの努力が実り、今では全国から注文が殺到するようになりました。
12月になると直売所は発送で大忙しになるそうです。
スイートスプリングは町の特産品として広く知られるようになってきました。