現役医師の南杏子は医療小説家!プロフィールや家族構成/書籍「ヴァイタル・サイン」あらすじ

出版社勤務から30代で医師となり、その後小説家デビューという驚きの経歴を持つ南杏子さん。

2021年8月18日、死と隣り合わせで仕事している看護師さんの苦しみや悲しみをリアルに書いた作品「ヴァイタル・サイン」が出版されました。

「ヴァイタル・サイン」は、実際に起きた医療事件は物語に組み込まれて、過酷な医療現場で懸命に働く看護師たちの生き様と希望を描いた感動の物語です。

普段は内科医として働かれている南さんですが、小説を書こうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

今回は、南さんのプロフィールや経歴・家族構成、現役の医師がリアルな現場を描く感動の医療小説をご紹介します。

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南杏子のプロフィール 学歴・経歴や本名は?

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ペンネーム:南 杏子(みなみ・きょうこ)

本名:渡辺 由貴子(わたなべ・ゆきこ)

生年月日:1961年??月??日([birth day="19610401"]歳くらい)

出身:徳島県徳島市

職業:小説家・内科医

学歴:日本女子大学家政学部被服学科卒業

職歴:読売新聞経済部記者,読売新聞調査研究本部

最終学歴:東海大学医学部卒業

現在は、青梅・よみうりランド慶友病院に勤務してます。

南杏子の家族構成 夫の渡辺覚は読売新聞記者

日本女子大学家政学部被服学科卒業を卒業後、読売新聞経済部記者・読売新聞調査研究本部勤務を経て、南さんが25歳のとき読売新聞記者の渡辺覚(わたなべ・さとる)さんと結婚。

アロマセラピストでもある南さんは、本名(渡辺 由貴子)で夫の渡辺覚さんと書籍を出版。

1996年10月「クリスティーン・ワイルドウッドのアロマテラピーマッサージ」を出版。

1998年6月「乳香と没薬 アロマテラピーと香りの源流」を出版。

ワット,マーチン〈Watt,Martin〉/セラー,ワンダ【著】〈Sellar,Wanda〉/渡辺 由貴子/渡辺 覚【訳】

1998年9月「ストレス (図解雑学)」を出版。

渡辺 由貴子 (著), 渡辺 覚 (著), 長嶋 洋治 (監修)

夫の転勤に伴って北海道やイギリスへ転居し、イギリスでの長女のはるかさんを出産。

イギリスから帰国後、南 杏子さん33歳・長女のはるかさんが2歳のとき、東海大学医学部に学士編入しました。

東海大学医学部を卒業後、東京都内の大学病院老年内科などで勤務後にスイスへ転居。

スイスでは、医療福祉互助会顧問医などを務めていました。

現在、民間の青梅・よみうりランド慶友病院に勤務しています。

青梅・よみうりランド慶友病院の理事長コラムの『強力な援軍』に南杏子さんの紹介がありました。

青梅に勤務する渡辺由貴子医師が作家・南杏子として活躍されていることはご存知の方もいらっしゃると思うが、その持ち味はエンターテインメント性と良心のバランスにある、と感じている。読み手を創作の世界に引き込みつつも、医療の現場を熟知しているからこそのリアリティが裏づけにあるから作品が品性を失わない。

出典:青梅・よみうりランド慶友病院 理事長コラム

南杏子の長女・医師の渡辺はるか 栃木県で聖火リレーランナーに!

出典:NHK NEWS WEB EASY

南杏子さんの長女は、渡辺はるかさん。

栃木県壬生町の獨協医科大学病院救急救命センターで働く研修医です。

2021年2月に走る予定だった聖火ランナーが辞退したため、代わりのランナーに選ばれました。

走り終えた渡辺はるかさんのコメントです。

「沿道には地域の方がたくさんいて、聖火を見て皆さん楽しそうだったので、一つ希望になったと思う。これからも感謝の気持ちを忘れずに、医師として頑張っていきたい」

出典:NHKWEB EASY

生年月日:1992年??月??日([birth day="19920730"]歳くらい)

学歴:獨協医科大学(栃木県壬生町)

『ヴァイタル・サイン』あらすじ・ネタバレ

二子玉川グレース病院で看護師として働く主人公・堤素野子は、高齢者が入院する病棟の看護師として毎日が死と隣り合わせの過酷な日々を送る31歳。

食事の手伝いをすれば患者から「まずい」と罵られたり、患者の容体が急変すれば自分のせいでなくても医師から理不尽に怒鳴られることもしばしば。

休日も気が休まらない過酷なシフトをこなす素野子だが、整形外科医である恋人・翔平と束の間の時間を分かち合うことでどうにかやり過ごしていたが、恋人ともなかなか会う時間もままならない。

そんなある日、素野子はナースステーションで消し忘れたパソコンからある看護師の「天使ダカラ」という名のツイッターアカウントを目にしてしまう。

そこには、

「食事がまずいからって、人に投げつけていいの?」
「ヤブ医者め!バカヤロウって言う方がバカヤロウなんだよ!」

など、普段口にできない看護師の本音が投稿されていた。

そんな中、後輩の看護師・桃香も肉体と精神を消耗し追い詰められていくのでした。

そしてある日、素野子は休憩室のパソコンで再びあの看護師のツイートを目にする。

そこには、「いつもウルサイ高齢患者には、ぬれたハンカチが効果あるかも?」
という投稿が。

胸騒ぎを感じ、桃香を探す素野子。
すると、投稿そのままに枕元で濡れたハンカチを持ち患者を見下ろすも桃香の姿があった。

更に、素野子自身もある患者とのトラブルが原因で心身共に追い詰められていく。

「限界に達していた。気力のかけらも残っていない。自分が壊れていくように感じる。」

過酷な医療現場で懸命に働く看護師たちの生き様と規模を描いた物語です。

医療小説『バイタル・サイン』を描き始めたきっかけは?

過酷な現場で働く看護師の実態を伝えたいと思ったきっかけは、点滴を作る・薬の準備・採血など、ミスが許されないストレスフルな仕事の一方、乱暴な言葉を言われるなど、様々なことが起こります。

そういったことにも耐えていかなければならないということを医療従事者の目線で書くことで実態が伝わると思ったそうです。

「ヴァイタル・サイン」は、看護師さんが点滴に消毒液を入れて患者さんに点滴をして亡くなってしまった2018年の横浜市の事件がきっかけです。

そこまで彼女を追い詰めてしまったものは何か?と考えると、胸が痛く他人事じゃなかった。
「あの人は悪い。」それでおしまいにはしたくなかったのです。

過酷な医療現場で懸命に働く中で、追い詰められて壊れてしまうのなら逃げてもいい。
患者さんだけでなく、自分自身も大事に生きてほしい。

「ヴァイタル・サイン」の主人公の悲しみや苦しみを読んでいただくことで寄り添えるのではないかと南さんの医療従事者への思いが描かれています。

著者:南杏子『ヴァイタル・サイン』の感想・レビュー

いち早く呼んだ現役の近畿大学医学部皮膚科・大塚篤司 主任教授からは、生々しいまでに看護師の苦しさが伝わってきました。
読み終えればわかります。
この作品は医療従事者へのエールです。

と絶賛の声が続々。

南杏子の作品 2016年デビュー作〜2021年

南杏子さんは、夫の渡辺覚さんに伴い通い始めたカルチャーセンター小説教室の作家・五十嵐貴久のもとで学び、「サイレント・ブレス 看取りのカルテ」で2016年に作家デビューを果たしました。

医師として働いている中で、息抜きをしたいと思い通い始めたのがきっかけです。

最初はファンタジーやSFを書いていたが、先生から「もっと切実なものを書きなさい」と言われ、医療について書くようになったそうです。

サイレント・ブレス
作家:南杏子
出版社:幻冬舎
発売日:2016年9月8日

デビュー作の自らと同じ女性医師が主人公の医療ミステリー。
ディア・ペイシェント
作家:南杏子
出版社:幻冬舎
発売日:2018年1月25日
サイレント・ブレス 看取りのカルテ (幻冬舎文庫)
作家:南杏子
出版社:幻冬舎
発売日:2018年7月12日
ステージ・ドクター菜々子が熱くなる瞬間
作家:南杏子
出版社:講談社
発売日:2019年9月19日
ディア・ペイシェント 絆のカルテ (幻冬舎文庫)
作家:南杏子
出版社:幻冬舎
発売日:2020年1月24日
いのちの停車場
作家:南杏子
出版社:幻冬舎
発売日:2020年5月27日

吉永小百合さんが出演し、実写映画化。
在宅医療の現場で奮闘する女性医師とその家族の姿を描いています。
いのちの停車場 (幻冬舎文庫)
作家:南杏子
出版社:幻冬舎
発売日:2021年4月8日
ヴァイタル・サイン
作家:南杏子
出版社:小学館
発売日:2021年8月18日

初めて医師ではなく看護師を描いた物語。
看護師の日々をリアルに描いています。
希望のステージ (講談社文庫)
作家:南杏子
出版社:講談社
発売日:2021年9月15日

まとめ

医師である南さんが、看護師の激務をここまで克明に書いていることに驚きました。
1分刻みのタイムスケジュールで動いていることが細かく書かれ、リアルで息苦く医療現場の裏側に恐怖さえ感じます。
昼夜問わない仕事、家族への対応や過酷な看護の現場が描かれて、医療従事者の方々にはただただ感謝です。

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