芦沢央『神の悪手』あらすじ/感想 ミステリー将棋小説 著者の経歴は?

新・ミステリの女王との呼び声高い芦沢 央(あしざわ よう)さんの最新作『神の悪手』をご紹介。

直木賞候補にもなった『汚れた手をそこで拭かない』をはじめ、ラストにあっと驚くような作品を数多く描いてきた芦沢さん。

2020年本屋大賞を受賞した作家 凪良ゆうさんは「腹が立つほどの傑作」と絶賛していました。

芦沢 央さん

女性2

どうしても書きたいアイデアが浮かんで、これからも小説家として書いていけるぞ!という作品になりました。

最新作『神の悪手』は、芦沢 央さんの新たな試みが詰まったミステリー小説です。

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著者会心の衝撃ミステリ『神の握手』あらすじ

物語は、藤井聡太二冠の活躍で注目される将棋の世界が舞台。

主人公の岩城啓一は奨励会に所属し、プロの騎士を目指す1人。

プムカプムカ

奨励会とは、プロ棋士の推薦を受けた将棋界選りすぐりの若き才能が集まるプロの養成機関のことです。

しかし、年齢制限となる26歳が近づき、プロになる道が消滅しそうな崖っぷちの状況だった。
「負けました」と口にするたびに、少しずつ自分が殺されていくのを感じた。

崖っぷちの啓一の人生をかけた次の相手は、プロ棋士に最も近いといわれる17歳の天才 宮内冬馬。

追い詰められた啓一は、ある日、同じくプロへの道が危うい村尾に

「見せたいものがある」

と呼び出された。
そこで見せられたのは、天才 宮内冬馬の将棋を研究した攻略法だった。

"なんだこれは。こんな手がー"

村尾がプロになるためにも、天才 宮内冬馬が負ける必要があるために渡した攻略法。

それを一瞬で目に焼き付けた啓一だが、自分を馬鹿にされたと思いカッとなってもみ合いになった。
と、その拍子に村尾が転倒。

なんと、意識を失ってしまった。

人が、こんなに簡単に死ぬわけがないと思いながらも、啓一は怖くなりその場から逃げてしまった。

村尾の生死がわからぬまま、啓一は天才宮内との対局に臨んでいた。
もし村尾が死んでいたら、啓一は警察に捕まり奨励会は退会させられプロの道は絶たれる。

追い詰められながらも覚えた攻略方の通り対局を進める啓一。
すると、いつしか啓一が宮内を苦しめる展開に。

と、その時、啓一にあるアイデアが浮かんだ。
それは、村尾が死んでいたとしても犯人と特定されず、更にプロへの道も近く方法。

いったい、その方法とは?

運命に翻弄されながらも前に進もうとする人々を描いた将棋ミステリです。

芦沢 央さん インタビュー『神の悪手』将棋をテーマにした理由とは?

プムカプムカ

今作について、将棋をテーマにした理由はなんでしょう?

芦沢 央さん

女性2

奨励会というシステムに興味がありました。

将棋以外の全てを捨てて部活もやらず友達とも遊ばず、ひたすら将棋をやってきたのに26歳までにプロになれなかった人は放り出されてしまいます。

いつかは、将棋小説に挑戦してみたいと思って書きました。

芹沢央さんは小説家を長く目指していたこともあり、夢の諦め方がわからない時期が長く、どこで引き返せばいいかわかりませんでした。

夢に追われること、食い潰されることに興味があり、この怖さをとことん見つめてみたいと思ったそうです。

そして、将棋を通して芦沢さんが描きたかったことは、人間は弱かったり間違えたりズルいことしたりと、そんな人間の弱さを描きながら、それでも強くなれる瞬間です。

芹沢央さん

女性2

人間を信じた作品が書けました。
人間というものが好きなんだと改めて思いました。

芹沢央さんの得意なミステリの手法、そして将棋だからこそできるミステリのアイデアを詰め込んだ作品です。

著者 芹沢央さん『神の悪手』感想・レビュー

芹沢央さんのプロフィール 出身地や経歴は?

芹沢央さんは、1984年(昭和59年)2月13日生まれの[birth day="19840213"]歳。

出版社勤務を経て、2012年に『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビューされました。
そして2015年10月3日、『罪の余白』は映画公開されてます。

芹沢央とはペンネームで、その由来は大学の先輩である小説家 辻村深月さんの作品『凍りのくじら』の主人公 芦沢理帆子からきています。

また、小説家の似鳥 鶏(にたどり けい)さんとは、大学時代から親交があったそうです。

ふりがな:あしざわよう(ペンネーム)
最終学歴:千葉大学文学部卒業
出身地:東京都生まれ
住まい:神奈川県川崎市在住

まとめ

将棋を指す人の気持ちを味わうことができました。
将棋指しているときならではの心理戦を体感しているような気分になり、最後は物語としてミステリで終わるという、まさに手に汗を握るような物語です。

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